月の神話

かつて偉大なリシであるアトリは、ソーマが欲しいという強い願望をもった。ソーマとは神々のネクターである。

古代では偉大なリシでも願望を成就するためにとてもきつい苦行を行い、神々を喜ばせてその願いを成就するということは良く行われていた。

アトリはソーマを得るために、完全に直立して立ち、瞬きもせず、両手をまっすぐ上にあげて3000年間ソーマに集中した。

その結果、彼の身体はソーマで満たされて、空へと飛び上がった。

身体がソーマで満ち溢れたので、それは目からこぼれ出し、天上界に光となって広がった。

そこで10方向の神々が皆で合体して、ソーマを収集するために集合的な子宮を創った。

まもなく、胎児が子宮から地上に産み落とされてそれは月となった。

ブラフマー神はその月を戦車に乗せると天上界へと連れて行った。

『光の道』アマゾンキンドル出版 ヴェーダウエイより

インドでは月光浴という習慣があり、満月の夜は外に出た月の光を浴びると良いと言われている。

月の光を浴びることでソーマ(命のエッセンス)が体内に作られるとされている。

私が師事したマハリシも満月の夜にはよく外で講義を行なっていた。