ジョーティシュとは5000年以上もの古代からインドに伝承されてきた占星術です。

誕生した時の詳細なホロスコープ(天空図)から運命を予測することができます。

なぜ星の動きから運命が予測できるのかというと、そもそも宇宙の出来事はすべて密接に関係しているという基本的な考え方にあります。

そして天空の星や星座は、宇宙にある物質ではなく、自然法則の動きを反映しているものでそれらの意味が長年伝えられて来ました。その考え方からするといくら火星に探査衛星を打ち上げて、土壌を分析してみたところで、火星の持つ影響力についてはまったく分からない?ということになります。

ホロスコープの解釈は、それを深い瞑想中の意識によって認知した古代のリシたちが残した知識によります。

残念ながら、現代の科学によってそれを実証することはできてません。例えば、火星にはジョーティシュではエネルギーや摩擦、闘争、指揮官などという意味がありますが、望遠鏡でいくら火星を観察していても、そのような意味が観測されることはないでしょう。それはまったく次元の違う知識なのだと理解するしかないでしょう。

その火星が、ある人のホロスコープで第十室という仕事の部屋にある場合には、その人はリーダー的な要素を持つという意味になります。

ホロスコープの原理では、誕生時の天空図がその人間を表しているということになります。私たちが誕生したということを一つのイベントと考えると、その時の星の配置などを調べるとその人間がどんな人間なのかがわかります。そして星の運行は規則的でありますから、その動きから運命の流れも予測可能ということになります。天体の動きと私たちの人生上の出来事は密接に関係しているのです。

刑事コロンボという探偵物語をご存じでしょうか?彼は事件が起った現場に行くと、そこに残されたものを細かく調べて、そこから何が起こったかなどを見事に推理します。

ジョーティシュの原理は、少しこれに似ていますが、ある出来事が起こった時には、「それに関する全ての情報がそこにある(その時の天体の配置)」という基本的な考え方によっています。

例えば、子供の誕生という出来事に対して、ちょうどその時、東に上昇してきた星座がその時に誕生した人間に対応しているということになります。

上昇星座が確定すると、それに続く11個の室に位置する星座が決まりますから、それぞれの室に星座を当てはめて、その時の9つの星を記入すれば、ホロスコープが出来上がります。

ホロスコープに表れる情報としては、12の星座、9つの星、27のナクシャトラ(月宿)というものを使います。

天空に無数に展開する星々の情報から、これだけのエッセンスを選び抜けば、全ての流れがわかるというのは、古代のリシが残したとても優れた知恵と言えましょう。

そして東の空に登ってくる星座は地球の自転により約2時間ごとに変わっていきますから、同じ日に生まれたからと言って同じ星座にはなりません。

ジョーティシュは非常に精密にホロスコープを作り分析しますので、正確な誕生時間と時間差を修正するための誕生地の緯度経度も必要になります。

一般的に知られている何座の生まれ?とは、誕生日に太陽がどの星座にあったかということからきています。太陽は約一か月間同じ星座にありますから、その間に生まれた人はすべて同じ星座の生まれとなり、これはかなり大雑把な区分けと言えましょう。

ジョーティシュで誕生星座を見つけると、殆どの人がそれとは違っていることに驚かされます。

正しい上昇星座がわかるとその人の性格や質があてはまり、ピタリと納得できるでしょう。

それから月の位置も重要です。ジョーティシュでは月は心を表し、その月がどの星座にあるかによってその人の内面が分かるのです。

このようにして天体の状況を具体的な人生の事柄に翻訳して解釈するのがジョーティシュなのです。

人生上のあらゆる事柄がホロスコープ上の12の室に表されるので、それぞれをそこに位置する星座や星から分析すると具体的な意味が得られます。

さて、ホロスコープができても人生には時期というものがあります。良い時もあれば悪い時もあり、才能があり成功した人でも苦労した時期があったりとか、不遇であったりする時期があるようにです。

その時期を分析するのが、ダシャーシステムという星の運行表のようなものです。人生にはそれぞれの星が支配する大きな流れがあり例えば太陽6年、月10年、火星7年と言った具合で、その星の影響が強くなる期間があります。9つの星のマハダシャーを合わせると120年になりますが、人生がいつどの星の時期から始まるかは誕生した時の月の位置から計算されます。

マハダシャーというこれらの長期の時期は、またさらに9つの中期の期間に分割されそれはアンタルダシャーと呼ばれます。その期間は数年単位になりますが、これもさらに分割され・・・と最終的には5段階まで細かく時期を特定できます。そうすると数日単位での時期の違いが出てきます。

このダシャーシステムによって運命の流れが分かってくるので、いつどんなことが起こりやすいか?が予測され、危険には前もって備えたりそのタイミングを計って行動を起こしたりという形でその情報を活用できるのです。

ジョーティシュは運命決定論ではありません。この限られた人生を最大限に生きるために時の価値を知り、それを利用して進みたい方向へと舵取りをするのです。ヨットを運行するのに、風の流れがわかれば進みたい方向へ速やかに進めるのと似ています。

また、星の影響が良くない時にはヴェーダの知識にあるヤギャという処方を行ってそれを改善すことができます。

インドにはヤギャの専門家を要請するための教育システムがあり、ヴェーダを認知したリシの家系に生まれた子息たちは、幼少の頃より厳しく訓練されて、ヤギャのパフォーマンスを修得します。

これによって否定的な時期を改善させたり、幸運をさらに増幅させたりすることができるのです。

ジョーティシュは人生をより豊かに幸福にするための古代から伝えらた貴重な知識と技術です。

未来に光を照らして行く手を明るくします。

人生の可能性を最大限にし、自分だけでなく家族や社会にもっと貢献することができるのです。