この世界はある決まりによって動いている。それは自然法則と呼ばれている。
実はそれがヴェーダだ。
ヴェーダには大きく分けて4つあるが、最も基本となっているのがリク・ヴェーダと言われている。それはアグニミレイプロヒタム・・・という音で表現されている。
この音の順序は非常に重要で、これが運命の流れを表しているのだ。
ただこれはエッセンスなので、ちょうど分子式を私たちが見てもそれがどんなものなのかわからないように(勉強した人は別だが)、これだけではあまりに抽象的なのでチンプンカンプンではある。
そこで星の話になるが、星の世界では太陽から始めると、太陽、月、火星、ラーフ、木星、土星、水星、ケートゥ、金星という順番で人生が展開して行く。この順番は輪のようなもので、始まりも終わりもない。
どこから始まるかは、誕生した時点で決まってくる。ただこの順番は同じだ。
誰でもこの順番で人生が展開していくのだ。
その一番大きな区分はマハダシャーと呼ばれており、
太陽6年、月10年、火星7年、ラーフ18年、木星16年、土星19年、水星17年、ケートゥ7年、金星20年となっている。
このマハダシャーの変化は、人生の節目となるような変化であるから、知っておいた方が良い。
だが、個人のチャートによってそれぞれの星が表わすことが違ってくるので、一概には良い悪いは言えない。
皆が同じ人生を過ごすわけではないように、この順番が同じでも、人生の良くなったり悪くなったりは、個人のチャートによって違ってくる。
同じ木星でも、それがラグナの支配星になっている場合(射手座・魚座の生まれ)もあれば、第六室(障害、問題、敵)の支配星になっている場合もある(ラグナが蟹座か天秤座生まれ)
つまりやってくる星の順番は決まっているが、それぞれがどういう意味となるかは個人のチャートによってかわってくるということだ。
そこでまず自身のチャートがどうなっているのかを知ることが大切だ。
その後で、ではどのような順番でその星の時期がやってくるのかを知れば、その後どうなるかもわかるという具合だ。
つまり支配する星の時期によってチャートのどの面が人生で良く表れるかが決まってくる。人生も同じだ、誕生チャートは変わらなくとも、時期が違うと表現は全く変わってくる。
この変わりゆく時期を表わしているのがダシャーなのだ。
まさにそれは運命の時刻表ともいえるだろう。
ヴィンショータリダシャーとはその代表的なシステムの一つで、よく使われてる。
先ほどのマハダシャーのマハとは「大きな」、「偉大な」という意味だ。つまり人生の大きな流れともいえる。全部合わせると120年になるが、同じマハダシャーを一生で迎えられる人はまずいないだろう。
このマハダシャーは、さらに小さく分けてアンタル・ダシャー、プラティアンタル・ダシャー、スクシマアンタルダシャー、プラナダシャーと五段階まで細分化できる。
この五段階目くらいになると数日で変わってくる。ジョーティシュではよく何日までという表現が使われるが、主にそれはこのダシャーの違いによる。(ゴチャでも同じだがその説明は後にする)
通常木星/土星/金星/水星/水星のように表現されるが、これは木星マハダシャーの中の土星アンタル・ダシャーでそのなかの金星プラティアンタル・ダシャー、といった意味だ・・・
全部の星が良い人は少ない。基本的に人生は山あり谷ありだが、その過程で私たちは成長しこの人生で到達可能であるゴールへと進む。
ダシャーシステムによると人生の流れが分かる。映画の台本のようなものだ。映画でも台本通りに監督が創っていくとは限らないだろう。
撮影していくうちに、いろいろとアイディアがひらめいたりすれば、台詞を変えたりとかアクションを変更したりもするだろう。もちろん喜劇が悲劇に変わったりとか無敵であった主人公が死んでしまうとかはない。つまり変えられることと変えられないことはある。
例えば寿命を延ばすことはできるが、不死という訳にはなかなかいかないということだ。(歴史をたどるとインドでは、その死が確認されていない有名な人物が10人くらいいるそうだ)
同様にダシャーという台本があっても本人が気に入らなくって変更するということも可能だ。ヤギャというプログラムはその一つだ。